起業家はウツだらけ!? ー倒れても、また立ち上がるために(後編)

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中村義之氏
株式会社YOUTURN代表取締役
(みんなのウェディング元COO)

惚れ込んだビジネスの新会社上場に向け、極限まで働いた結果、心身を壊してしまった中村義之さん。
すべて終わりだと落胆した先に、どのように立て直し、新たな起業へと踏み出したのかを語ります。

前半はこちら

病気療養の2年間

心を立て直す

中村さん:病気になった当時は「もうこれで終わるんだ」と本当に落ちていました。とはいえ治さなきゃいけない。これで死ぬことはできない。

どうやって立て直していくかということですが、治療に専念することが心の救いでした
病院に通っているから、治っていくはずだと、すがる思いで専念しました。

結果、心を保つことができたと思います。

一方でプレッシャーから解き放たれた感覚もありました

残っている仲間はまだ頑張っているんだから、僕一人安心しても仕方ないんだけど、とはいえやりきった部分はあるし、会社に行かなくてもいい安心感はありました。

そこからポジティブに切り替えるきっかけにはなったと思います

あと妻の支えはもちろんありました。
あとは寝ることですね。

そういう風にして、心を立て直していきました。

中村くん、戻ってこないか?

私の病気療養中に、みんなのウェディングに新しい社長が就任することになり、中村くん戻ってこないかと相談を受けました。
「僕、退任したばかりなんですけど・・」とお答えはしたのですが(笑)。

一同:笑

川元:裏でそういう話があったんですね(笑)。

中村さん:期間限定でフルタイムでなくていいというお話だったため、それであれば復職しようと思い、準備を始めました。

しかし、本当に復職するか最終決定をする産業医面談のため、報告の資料をつくろうとPCを立ち上げ、「戻るんだ・・」と思った途端、すごい頭痛が襲ってきたんです

こんなことでまた頭痛になるのかと、その時はかなり落ち込みました。

それを面談の時に必死になって伝えました
取り乱しているくらい必死でしたね。

そして、復職は結局延びていきました。

結局数か月後に復職し、2か月ぐらい半日勤務をしたのですが、その後、また経営体制が変わって、自分が復職している意味がなくなったなと思ったのを機に、退職を決めました。

新たな模索

楽しく働いていたころの記憶が甦ってきた

中村さん:その後は、夫婦で旅行に行きまくりました
国内外、いろんなところに行きましたよ。

そうしたら元気になってきて、楽しく働いていた時の記憶がよみがえってきたんです。

それまでは辛かったことしかフラッシュバックしてこなかったのに、ふとした瞬間に「あの時楽しかったな」って、働いている風景がふわっと出てきました
ただひたすら遊んでいたら、そうなったんですよね。

ブログでも書いているんですが、メンタル疾患になった方にはこうやって「働きたい」という気持ちが自然と湧いてきた時に戻ることをオススメしています

川元:(メンタル疾患の)反対サイド、どうやったら治ったのかを深掘りすることも必要なのではないかと思っています。
この時の旅行はどちらに行かれたのですか?

中村さん:その時はちょうど夏だったんですが、働いてオフィスに居ない時の東京って地獄のような暑さじゃないですか。
一同:(笑)

中村さん:避難するように北海道に行きました。
その後海外にオーストラリアだったり、イタリアだったり色々行きました。

川元:どこが一番良かったですか?

中村さん:北海道ですね。
国内ってやっぱり安心じゃないですか。
その時13泊くらいしましたね。

一同:おお!(長い!)笑

メンタル疾患になったやつがまた起業する -いいじゃないか

中村さん:旅行中に「働きたいな」という感情が湧いてきた時、すごい喜びを感じました

この感情があったら、多少病気の後遺症があっても乗り越えられるかなと。
大きな変化だったんです

一時期病気になったとはいえ、もともと起業するという人生を歩みたかった。
諦めたら死ぬとき後悔するんじゃないかって。

メンタル疾患になったやつがまた起業する。-いいじゃないか、挑戦してみようと

病気して「自分ダメだ」と思っていたにも関わらずそれでもまた起業したいって思えるのは、本物の気持ちなんだろうと、それで確信を持てました。
それも大きかったですね。

場所をまず決めた

中村さん:とはいえ、もう病気になりたくない。
だから次なるチャレンジとして、WhatよりもWhereをまず決めました

キャピタルゲインが多少あったので、自己資金で始める次のチャレンジはバーンレート・生活コストが低くて住環境がいいところをと考えた時、故郷の福岡がふと見えてきました。

スタート地点に戻る気持ちで、まず場所を決めました。

これは後付けなんですけど。
福岡でやることに逆に意味があるなと。

課題先進国のフロントランナーは「地方」であり、解決すべき課題は地方に存在している

一方でITは産業横断的にイノベーションを起こせるツールであるはずなのに、そういった人材が東京に集中してしまっている。地方でこそやるべきなのではと感じました。

また東京に出てきているビジネスパーソンは、結婚したり子供ができたりしたタイミングで故郷に帰りたがっている人がまわりに多いなとも思いました。

人材を欲しがる企業と帰りたい人材をマッチングすることで社会課題の解決になるのではと、東京の人材をUIターンさせる事業から開始しました。

川元:会社名が「YOUTURN」ですもんね!

中村さん:はい(笑)。

その頃は療養から1年半ぐらい経っていて、社会から忘れられた存在でした。

同時に、あいつ今頃どうしてるんだ?と思っている人もいると感じていました。
そこで今までお世話になった親しい人たちに現状報告しようと、社会復帰をブログで発信しました

知り合いだけに送ったのですが、またたくまにシェアされていき、イケハヤさんにも取り上げていただいて、気付けば3万UUぐらいになりました
業界では結構読んでいただけたのかなと。

ブログをきっかけに、地方を盛り上げていきたいということに共感してくれる仲間ができたり、あと同じようにメンタル疾患を持った経営者から「よくぞブログに書いてくれた」と感謝のメッセージが毎日のように来るようになりました

周囲の知人たちの間にも、「実は私も・・」と告白してくれる人がこんなにも多いことには驚きました。
メンタル疾患がここまで広がっているとは・・なんとかせねば」と感じました。

そしてこれから

起業家のためのセーフティネットを

中村さん:最後に、今後のビジョン・やりたいことをお伝えさせてください。

先ほどご説明したとおり、まずは地方に課題解決人材を集めるという取り組みを行っています

そしもう一つは、起業家のためのセーフティネットをつくりたいと考えています

メッセージをくれる人の中には大事に至る前に踏みとどまったという方も多いのですが、中には結構きつい状況の方もいて
ご自身で起業した会社の代表取締役の座を引きずり降ろされて、借金だけ残っている。
でも家族を路頭に迷わせるわけにはいかないだとか。

川元:きついですね・・・。

中村さん:そういうのってだいたい夜中にメッセージが来るんです。「あぁ、この人に何かしてあげたいな」と純粋に思いました。

たとえば福岡に自給自足生活の環境を用意して、生活コストが限りなくゼロに近い起業村をつくれたらいいなと。

そこで元気になったらそこからまたチャレンジしてくださいと。
たとえば事業をまた失敗したとしても、あなたの健康も家族も幸福も残りますよという、チャレンジに対してちゃんとセーフティネットがある仕組み・社会インフラをつくりたい

そういうことを、今構想しています。

実は農業は鬱にいい

中村さん:最初は自給自足でコストがかからないことしか考えてなかったんですが。
メンタルヘルスケア事業をやっている起業家さんから、実は農業は鬱にいいんだってことを教えてもらいました

一番生活コストが低い自給自足生活はまさに起業むき
ベーシックインカム、というより「ベーシック収穫」ということで、米を収穫します(笑)。
これって結構面白いな!って思ったんです。

僕自身見た目がめちゃくちゃ(日に)焼けてると思うんですけど、農業の研修生として福岡の農家でお手伝いし、田植えや草刈をやっています。

川元:畑も借りたんですよね!

中村さん:はい!畑も借りました。

それで、ワークスタイルなんですけど、もう病気になりたくないので労働時間を制限しています
1日6時間労働。朝7時から13時やったら終わりという感じですね。

これは僕の発明なんですが、農作業は0.5掛けがいいんです
6時間農作業したら、残りは3時間労働を目指す。

いい感じの疲労感なんですけど、身体はリフレッシュして脳は疲れてないんですね。
なので、残りは限られた時間の中オフィスワークにがっつり集中でき、夜はぐっすり眠れる。

ただ気力が尽きたら仕事を終える
大切な1件のアポに全力投球する場合は、それだけに集中すればいいという風に考えます。

年内にやりたいことは、サラリーを収穫物で現物支給。
スタートアップ農園で、限りなく生活コストゼロの空き家暮らし。
みんなで午前中耕して収穫して。

何で労働の対価を支払うかというと・・「米」なんです!

・・これ笑うところなんで(笑)

一同:(大笑)

 

メンタル疾患後の「起業」の負荷について

中村さん:最後に、メンタル疾患やったやつが起業してどうなのよということで、メンタル疾患後の「起業」の負荷についてお話して終わりたいと思います。

絶対にハードワークはできない
忙しい時期にやっちゃったことがあったんですけど、その後一週間くらい働けなくなったんです。
体がストレスに敏感になっていて、反応がすぐ出ちゃうので続かなくなります。

日々のコンディショニングが超重要で、毎朝瞑想し、できるだけ日付が変わる前に寝ています。
あと、お酒を飲みすぎない。

一方で、体調に合わせて自由な働き方ができるのはとてもいいです。
出社・定時の概念がないのは、自分のペースでやれるということで、メンタル疾患をやった自分としてはいい環境ですね

まだ始まったばかりなのでまだ赤字ですし、今後は未知数ですが、今後も企業家たちのためのセーフティネットを構築していけるよう、頑張っていきます。

一同:(大拍手!)

川元:皆さん、本日の時間いかがでしたか?

一方的に話を聞くというイベントではなかったですよね。
会場の皆さんとの対話の時間でした。

本日、錚々たる方に集まっていただいています。
この瞬間、この時間まで皆さんが積み上げてきたものが、相互に混ざり合って生まれた時間・空間でした

今日は交流会をする時間がなくなってしまい恐縮だったのですが、ここでお会いされたのは何かのご縁があると思います。

ぜひこの場をきっかけにご縁を手繰り寄せていって頂ければと思います。

最後に、本当に話しづらいところまで踏み込んでお話くださった中村さんに拍手を送ってお開きにしたいと思います。
中村さん、本当にありがとうございました!

一同:(大大大拍手!!)

 

最後に

どうしたら鬱にならずに事業を急成長させていけるのか?

競争マーケットの中で闘うのであれば、当然スピードは必須です。

一方で、経営者が健康を保ち、パフォーマンスを発揮させることも当然重要です。

そこで「どうしたら鬱にならずにスピード感を持って事業を成長させていけるのか?」を考えてみたいと思います。

本編でもありましたが、鬱になる場合は本人が気がつかないことが多いです。

本人の気持ちだけでは歯止めをかけられないので、他者が介在する「仕組み」を作る必要があるのではないでしょうか?

そこで、「利害関係の無い第三者が毎週30分電話でサポートをする」という仕組みをするのが一つの解決策なのではないかと思い提言させて頂きます。

本イベントのモデレーターを務めた川元はこちらのYellというクラウドサポーターサービスのサポーターをやっております。

半年間担当していた大手企業の女性から「人生が変わった」という言葉を頂いたのですが、これはサポーターの頑張りもさることながら「仕組み」が大きな要素であると言えます。

利害関係の無い第三者の視点が、経営者の異常値を炙り出す一つの解決策になりうると思います。

これは経営者だけでなく、社員にも言えることなのです。

ご興味ある経営者の方がいらっしゃれば、そのプロフェッショナルな仕組みを持つエール社にぜひアクセスしてみてください。

本当に素晴らしい仕組みをご提供されています!

 

本当に最後、ちょっとだけ宣伝をさせて下さい

改めまして、弊社では、”世界を変える第3の繋がり”をコンセプトとするX-エックス-の運営を行っています。

X-エックス-とは?
大企業とベンチャー企業が個人レベルで繋がり、仲間になる招待制の超企業コミュニティです。

完全招待制のコミュニティとなりますが、月1回ペースでイベントを開催しており、極僅かですが席を一般開放しております。

X-エックス-では、「生き方を語り合う」をコミュニティの土台としていることで、人生のベクトルを共有できる仲間と繋がっていけます。

「心から信頼できる仲間と一緒に社会を変えていきたい!」という方がいらっしゃればぜひお待ちしております。

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